SUGA SHIKAO 20th Anniversary SUGAFES 所信表明 スガ シカオ×鹿野 淳
20年はね……音楽が好きって気持ちは本物だなって思ったし、本物をひとつ手に入れたのかもしれないなっていうのはありますね
- 来年の2月26日でデビューから20年。遂に重い腰を上げましたね。
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「…………………」
- ……無言になっちゃってますけど。
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「いや………もうね、今から不安でいっぱいで(笑)。なんせ初めてですからねぇ……」
- 今までご自分の冠がついたイベントとかフェスっていうのはーー。
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「ありますけど、『かけすぎ部総会』(料理に自分の好きな食材や調味料をかけすぎる人たちが参加する、スガが部長を務める“かけすぎ部”のイベント)くらいですかね?」
- あはははははは、それって。
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「俺と高橋優のふたりでやったやつね。今まで自分で主催したものってそれくらいですよ(笑)………うーん………発想になかったんですよ。『自分フェス』をやるなんて。だからさ、言われた時に『え? なんのこと?』って思ったもんね。周りが考えてくれて、いろいろと言ってきても『何にも想像ができないんですけど……』みたいな(笑)、勿論今もそうですけどね」
- デビュー20周年にたどり着いたことへの感慨って、どういうものなんですか?
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「なんですかね……そもそも自分の人生でひとつのことを20年も続けられたことがないんですよ。趣味にしても、何にしても、まぁ20年は続かないですよね。でもこれだけは続いたんですよね。仕事っていうのもあるけど、好きなものとして20年間やれた自信はありますよね。『たったひとつ本物を俺は手に入れたんだな』って感覚は凄くあって。それは10周年の時にはなかったんですよ。なんかね、10周年の時は『10年くらいは続くものはあるんじゃねぇか?』みたいな感覚で。そんなに誇るべきものじゃないんじゃないかなって感覚もあったけど、20年はね……音楽が好きって気持ちは本物だなって思ったし、本物をひとつ手に入れたのかもしれないなっていうのはありますね」
- 10年でももの凄く大変なことだとは思うんです。でも、10年続けるためにはアーティストもスタッフも頑張ってそのプロジェクトを作り、維持するために、それなりのライヴ、それなりのリリースってものがありますから、そこを頑張り抜けば10年はなんとかたどり着けると思うんです。
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「なるほど、確かにそうかもしれない」
- でも20年間やられているアーティストの場合は、人がちゃんと覚えているヒット曲やエポックメイクな出来事を持っている場合が殆どなんです。そういう音楽を生み出してきた人の特権に近い感覚が20周年っていうところにはあるのかなって。
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「あぁ、そうですね。本当に違いますよ、10年と20年って。『こんなに違うんだ!』って思いますもん」
- 今までいい曲を書いてきてよかったですよね。
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「まぁ、ただ必死なだけだったんですけどね。……でも、20周年に『スガフェス』をやろうって思えたのはそこがあって。10周年の時はね、たとえそういう話があっても『いやいや、結構でございます……』みたいな感じだったと思うし。でも、20周年はなんか胸を張ってできそうだなって感じはありましたね」
スガフェスは『ご褒美』みたいなニュアンスで、俺が取った料理を『これがもうベストチョイスなんだよ! 食えー!』って感じです(笑)
- 過去には山に逃げちゃった時もありましたよね?
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「あった、あった(笑)。スランプでね……」
- 帰ってきて本当によかったよね。ひとりっきりになっちゃった時もつい最近にありましたしね。
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「そうでしたねぇ……」
- あとは、全国各地のライヴハウスにご自分で電話したりしたのも、よかったですよね。
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「くくくくくく。昨日、『未だに電話してるんですか?』ってある人に言われましたからね(笑)。『いや、見りゃわかるでしょ! こんな大きいところでやってて、さすがに自分で電話するわけないでしょ!』って言いましたけど」
- (笑)でもまあ、ここまでこれたことへの狼煙を上げたいっていう、非常にポジティヴな気持ちを今は持たれてるんですね。
-
「それは凄く強いですね。自分の20年の中で出会った人とか、影響を受けた人とか、ずっと憧れていた人とかを集めてパーティーを開きたいって感覚なんですよ、今回のスガフェスは。……あるじゃん? なんかさ、バイキングみたいな感じでさ、凄いいっぱい料理が並んでてさ。『今日は20周年だし、頑張ったから好きな料理を好きなだけ取っていいよ』みたいな感じで『うわぁ……じゃあどうしようかなぁ。この人ともやりたかったんだよなぁ』っていう………そういうなんだろう………『ご褒美』みたいなニュアンスですね」
- ファンの方へはどういうイメージなんですか?
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「そりゃもう、俺が取った料理を『これがもうベストチョイスなんだよ! 食えー!』って感じですよ(笑)」
- あははははははははは。最高のサディズムですね。
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「俺はさ、基本音楽好きだから人に紹介したがりなんですよね。自分のファンに対しても『今、若手でこんなにカッコいい人達出てきたよ』とかすぐに紹介したくなるし、食わせたがりなんだよね。だからスガフェスは俺のオススメの特盛というか」
- 特盛&かけすぎね。
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「そうそうそうそう(笑)。たとえば、ソロアーティストはソロアーティストとツルんで、バンドはバンドでツルむみたいな風潮があるじゃないですか?」
- 割とね。
-
「でも俺の付き合いは多岐に渡っていて。いろんなところに仲のいい人や信頼をしている人がいるので、イチ、シンガーソングライターとして集めた集まりじゃなく、『うわぁ、これはスガ シカオだな』って感じてもらえるようなごった煮感が出ると思います」
『フェスってこんなに大変なんだ……』っていうのを、すでに思い知らされてますけどね(苦笑)
- スガさんって結構人付き合いがマメですよね。
-
「昨日もflumpoolの(山村)隆太に夜中の2時くらいまで飲まされてて(笑)」
- はははは。これはどういうところからきてるんですか?
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「………ていうかね」
- ん?
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「頼られるんですよ(笑)。なんか知らないんですけど、人に言えないような悩みを打ち明けられることが多くて。『だってスガさんもこういう状況をくぐってきたんでしょ?』って言われるけど、『いやいや! 俺くぐってないから!』みたいな(笑)」
- まぁ、あとは高いワインを振舞ってるって聞くけど。
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「あれは川谷(絵音)だけですよ。会計の時にビックリしたもん(笑)」
- そうやっていろんなアーティストと交流してきて、自分が音楽シーンに対してアップデートをし続けてきたことをすべて投入できる大チャンスですよね、このスガフェスは。
-
「僕もそう思います。自分の音楽と、自分の音楽の周りを一度に見せられるチャンスですよね」
- これから1年かけて、最高のフェスを作っていきましょう。
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「………そこに関しては『フェスってこんなに大変なんだ……』っていうのを、すでに思い知らされてますけどね(苦笑)。まあ面倒臭いっつーか」
- 何が面倒臭いんですか?
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「今日もさ、制作面の話をいろいろ聞きましたけど、既にお腹いっぱいです」
- あー。今日の打ち合わせ……ほとんど話さなかったよね?
-
「もうね、普段、15人の人と話すことなんてないんで、人酔いしましたよ(笑)。そこで出てくる話題が自分では解決のしようがない話ばかりというか……いや、音楽の話とか、自分のアーティスト活動のことだったらさ、最悪は『じゃあ俺がなんとかするよ!』って言えばカタがつくことが多いんですよ、僕の場合」
- そうですよね。
-
「だけど、今日の話とかはさ、カタのつかないことばっかりで……ステージ割どうするとか、時間どうするとかさ。……久しぶりにプレッシャー酔い、人酔いしましたね。こうやって1年間頭を悩ませ続けて、やっと1日のフェスが成り立つんだって……」
今日思ったのは、これからはこのフェスがあることを、誰かのせいにし続けようかなってことです(笑)
- でも、まさにそういうものですよ、フェスっていうものは。
-
「いつもは出る側だから華々しい一面しか見てないし、その日に行ってワァーって盛り上がって帰るだけなんで(笑)。でも、その裏側にはこんなに1年間の積み重ねがあるんだなって。本当に勉強になりますよ。…………失敗しませんかね?」
- えっ!?
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「今日思ったのは、これからはこのフェスがあることを、誰かのせいにし続けようかなってことです(笑)」
- なんだそりゃ。
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「自分の範疇外のことにあんまり手を出しすぎないように……『これはマジで事故るぞ』みたいな(笑)」
- 果てしなく後ろ向きに、ダンゴムシのように丸まってますが。今回VIVA LA ROCKというメガフェスのインフラを使用して、そのフェスと連続開催をするというコラボレートイベントなんですが。こういうロックフェスとコラボレートするっていうのはどういう感覚なんですか?
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「うーん……好きなんです、このフェスが。単なる物理的なコラボじゃなくて、ビバラ立ち上げの頃から出させてもらってたりもするし、非常に客のことを考えない偏ったブッキング−−−−僕はそれが最先端だと思うんですけどね。大阪のRADIO CRAZYと東京のビバラっていうのは客のことを一切考えないから面白いみたいな。……オーガナイザーが盛りつけた料理をみんなが楽しみに食べに来るってことだと思うんですよ。……俺はずーっと前から言ってるんだけど、フェスの最先端はそこにあると思っていて。そことコラボできるっていうのは、そこに来ているお客さんに俺のことを観てもらえるチャンスだし、凄く嬉しいやり方だなって。……個人でさいたまスーパーアリーナでイベントを立ち上げるっていうのは多分無理なんじゃないかなって思っていて。……まずこんなにもデッカいさいたまスーパーアリーナを選べないっていうね。怖くて(笑)。どれくらい人が来てくれるのかも分からなければ、なんにもわからないからね。『もうビバラとコラボレーションでやるよ』って決めたら腹を決めてやるしかないなってなるんで、それは逆によかったのかなって思ってます、はい」
スガフェスを成功させて、あとは…もう無限にやります!!
- いやもう、本当に楽しみですよ、一年も前から。スガ シカオというのは、その経歴やデビュー後の波乱のストーリーも含め、ソロアーティストらしくない、ある意味奇跡のアーティストですからね。
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「あははははははははははは! まぁ、奇跡というか綱渡りというかね(笑)。自分でもそう思いますよ。だから『もう一度デビューからやり直してもいいよ』って言われても絶対にやらないですね。二度も綱渡りできる自信がまったくないですから(笑)。それほど『うわぁ、この綱をよく渡ったな』って本当に思うし。それは周りの人とかファンの人のおかげもあるんだけど」
- 多くの方が知っている通り、スガさんは遅咲きのアーティストですよね。その上での20周年っていうのは、音楽業界全体としての祝福に値する出来事だなって思うんですよ。
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「例がないですもんね。いやぁ、でも本当に皆さんの応援のおかげですよ」
- 一気にここで花を咲かせて、ここから更なる−−−−。
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「先へ行きたいですね。このフェスをまずは成功させて………あとは...もう無限にやります!!」
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